こんにちは、コスメコンシェルジュの伊藤羊子です。
以前は甘酒というと、おひな祭りに飲んだり、冬の寒い時期に体を温めるために飲んだりするイメージが強い飲み物でしたが、最近は美容や健康のために季節を問わず継続的に飲んでいる人が増えてきました。
スーパーなどのお店でもペットボトル入りやパウチ容器入りの甘酒が売られているのを見かけることが多くなったと思いませんか?
甘酒は「飲む点滴」「飲む美容液」とも呼ばれるほど、栄養豊富でしかもバランスが取れている理想的な健康食品なんです。
江戸時代から庶民の間でも親しまれるようになり、夏バテの予防やお酒を飲む前の悪酔い予防などに生かされてきたそうですよ。
甘酒美容を始める前に、まず最初に気をつけたいのが「甘酒の種類」。
え、甘酒は甘酒じゃないの?と不思議に思われるかもしれませんが、2通りの作り方によって全然別物ができあがるのです。にもかかわらず、2つとも「甘酒」と呼ばれているのがややこしいところです。
- 酒粕から作られている甘酒=主原料は酒かす。アルコールを含み、砂糖で甘みを付けている
- 米麹(糀)から作られる甘酒=主原料は米麹。砂糖不使用、ノンアルコール
どちらもおいしく栄養豊富なのですが、美容・健康目的で摂りたい甘酒は、「米麹(糀)から作られる甘酒」のほうです。
市販の甘酒を購入する場合は原材料に注意してくださいね!
それでは、米麹から作られる甘酒の美容効果の秘密をのぞいてみましょう。
もくじ
甘酒に含まれる栄養素とは?
「飲む点滴」とも呼ばれるほど栄養豊富な甘酒。実際、いわゆる「栄養点滴」と比べると多少成分の違いはあるものの、非常に優秀な栄養成分を誇っています。
栄養点滴の主な成分はブドウ糖、ビタミン、アミノ酸。
甘酒もややその中でばらつきはあるものの、この3つの成分を押さえています。特に必須アミノ酸類、豊富なビタミンB群、美白作用もあり麹からのみ生成されるコウジ酸、その他アミラーゼやリパーゼをはじめ酵素と補酵素もギッシリです。
100種類以上ものたっぷりの酵素が代謝を促し、アミノ酸類やビタミンB群が美肌を作り、食物繊維とオリゴ糖が美肌の大敵便秘に働きかけ・・・とトータルに美容をサポートしてくれる「飲む点滴」甘酒は、特別な日だけに飲むのではなくできれば毎日少しずつ摂取したいものです。
特に甘酒に含まれている必須アミノ酸のひとつである「トリプトファン」とビタミンB群に含まれる「ビタミンB6」は、同時に摂取することで神経伝達物質「セロトニン」を作りやすくします。「セロトニン」は心のバランスを整えて穏やかに保ち、ストレスを減らす働きをするホルモンで、非常に重要な働きをしているものですが、この「トリプトファン」と「ビタミンB6」を同時に摂取できる食品は他にはなかなかないのだそう。
このように、甘酒には美容と健康に必要な栄養素がバランスよく、かつ非常に多く含まれています。特に、加熱殺菌処理をしていない自家製の甘酒の場合はこのパワーがさらに強力!美容や健康のために甘酒を続けるなら、手作りの生甘酒がより効果的です!
自宅で作る!手作り甘酒の簡単な作り方
市販の甘酒は、加熱殺菌処理を施されているものがほとんどです。
これは一定以上に発酵が進まないようにするためにするための処理なので、市場に流通させるためには必要なことではありますが、麹菌が生きたままの生甘酒に比べるとどうしてもパワーが劣ってしまいます。
(とはいえ熱処理や胃・腸で甘酒内の菌が死滅しても、その菌たちの死骸は腸内フローラのえさとして役立ってくれるので、市販の熱処理済みものを飲んでも意味がないというわけではありません)
美容目的で甘酒を飲むなら、できれば自宅で作った手作りの甘酒がベスト!
でも甘酒を作るなんて難しそう・・・というイメージもあるかもしれませんが、発酵させるための時間がかかる以外はさほど難しい工程はないんです。炊飯器の保温機能の力を借りれば自宅でも手軽に甘酒を作ることができます。
- お米1合分のお粥を炊く
- 炊飯器にお粥とお水(600ml~900ml程度)を入れて混ぜる
- 麹を入れてよく混ぜ、水分と温度を調節し、発酵させる
工程としてはたったのこれだけです。ただ、それぞれにちょっとだけコツがあります。1から順番に見てみましょう。
1)お米1合分のお粥を炊く
お米1合を洗って3~4倍のお水を入れたお鍋を弱火にかけます。沸騰して水分が減り、粒感の残ったお粥になってきたら火を止めてフタをし、余熱でお米が水分を吸うまで20~30分ほど放置します。
ドロドロのお粥になってしまうと、甘みの少ない甘酒になってしまうので要注意です。お粥を炊くお鍋の大きさにもよりますが、沸騰したあと水分がお米より1cm上くらいになったら止めるとちょうどいい感じに仕上がります。
2)炊飯器にお粥とお水を入れて混ぜる
蒸らした後のお粥はほとんどお米が水分を吸い取ってやわらかい状態になっています。
それを炊飯器に移し、600~900mlのうちのお水(またはぬるめの湯)を少しずつ加えながらご飯の粒をほぐして、全体の温度が60℃になるように調整します。この温度が大切なポイント。
麹が発酵するのに理想的な温度が50℃から60℃ですので、麹を入れるときにそのベストの温度を作ってあげることが甘酒作りの中でも重要なことです。
麹を入れると温度は下がりますし、麹を混ぜた後さらに残りの水を足すことでさらに温度は下がります。そのためあとで追加するお水はぬるま湯がオススメです。
3)麹を入れてよく混ぜ、水分と温度を調節する
2で60℃にしたお粥とお水に米麹を2合分入れます。
麹は入れる前にバラバラにほぐしておきましょう。
全体をよく混ぜ、残りの水(ぬるめのお湯)を足してさらに混ぜます。
あとは炊飯器の保温機能を使って6~12時間程度発酵させるだけ。
ちょっとだけ難しいのが、温度管理です。
常に50℃~60℃(理想は真ん中の55度)を保つ必要があるのですが、炊飯器によっては保温モードでも熱くなりすぎる場合があります。
フタを半開きの状態にする、お釜と炊飯器の間に割り箸などをかませて空間を作るなどして、60℃以上にならないように注意しましょう。
温度が上がりすぎると、麹菌の酵素の働きが勢いを失いお米を分解する能力がなくなってしまいます。逆に温度が低いままだと、糖化せず甘くならないばかりか、麹菌以外の菌が活性化してしまい失敗作になってしまうことも・・・。
適温を守ることがおいしい甘酒作りの鍵を握っています。
温度管理さえできれば、あとは発酵するのを待つだけ。
炊飯器での温度調節が難しい、長時間炊飯器を占拠するのは困る、という場合は「温度調節機能付きのヨーグルトメーカー」が便利です。
一般のヨーグルトメーカーは温度が40℃前後と甘酒を作るのには少し温度が低すぎるのですが、最近は温度調節機能付きのヨーグルトメーカーが発売されています。
6~12時間じっくり待って充分に発酵が進んだら、あとは冷まして冷蔵保存します。
冷蔵庫で1週間から10日ほどは日持ちしますので、毎日少しずつ飲みましょう。
乳酸発酵が進んで酸っぱくなってくる、色のあるカビが出る、などの異変が起きたら日数に関係なくその甘酒は諦めてください。
甘酒、いつ、どうやって飲むのがオススメ?
美容・美肌のために飲む甘酒は基本的にいつ飲んでもOKです。1回に飲む量はぐい飲みに1杯くらい~1日に200mlくらいまでが目安です。
お酒を飲む前に甘酒を飲めば、100種類以上もの豊富な酵素が悪酔いを防止してくれます。また、食後に飲む甘酒は消化を助ける働きをしてくれます。
目覚めてすぐ、運動の後、お風呂上り、食事の後など、体の吸収率が上がっているときに飲むと甘酒の持つパワーをより活かすことができます。
また、疲れを感じたときに飲めばたっぷりのブドウ糖が疲れを癒やしてくれますし、運動前に飲めばパワーチャージ飲料として役立ってくれます。
寝る直前に飲むのは避けた方がベターです。たっぷりのブドウ糖のおかげで目が冴えてしまいますし、甘酒はその甘さのわりに低カロリーとはいえ眠る直前に摂るのはあまりおすすめできません。
手作りの甘酒は粒感も魅力のひとつ(粒といっても舌でつぶれるような柔らかさ)ですが、この粒感が苦手な人はミキサーやフードプロセッサーなどでなめらかな状態にしてもOKです。
また、手作りの甘酒はわりとどろりとした状態なので、お水を足したり豆乳やジュースを足したりして少し薄めて飲むのもおすすめです。
伊藤羊子は甘酒にサジージュースを足して飲むのが気に入っています。
サジージュースはビタミンCや鉄分の宝庫でこれまたすごい美肌パワーを秘めた飲み物なんですがかなり酸っぱいので(逆にその酸味が病みつきだったりもする)甘酒の甘みと合わせるとすっごく飲みやすい上に、美容ドリンクとしてさらにパワーアップしてくれます。
寒い季節には、お水を足して温めて飲むのもいいですね!ただし温めすぎはせっかくの酵素が死んでしまうので要注意です。
最高60℃までを目安にしてください。
50℃程度でもじゅうぶんにあたたかいと感じられます。
甘酒は、体に嬉しいエネルギーと栄養の宝庫。
一度にたくさん飲むよりも、毎日少しずつを継続する方がよりそのパワーを実感しやすくなります。
8ヵ月以上の赤ちゃんから大人まで、美容に健康に積極的に取り入れたい飲み物です。
ぜひ一度甘酒を日常に取り入れてみてくださいね!
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