こんにちは、コスメコンシェルジュの伊藤羊子です。
シンプルケアや肌断食、スローライフ的な楽しみ、はたまた市販の化粧品への不信感から、「手作りコスメ」に目覚める人も少なくないようです。
かく言う伊藤羊子も一時期は手作りコスメのシンプルケアに凝っていました。
むしろ手作りコスメにハマりまくって、材料をあれもこれも取り揃えて悦に入っていた時期がありました。笑
もともと根が面倒くさがりなのでそう長くは続かなかったのと、市販の化粧品の見分け方や使い分け方などの知識もそれなりに付いて信頼できるブランドにめぐり合えたこともあって手作り化粧品からは卒業しましたが、あれはあれで楽しかったなぁ~とも思うのです。
なんといっても、成分についての知識が付いたのはもちろんのこと、それ以上に「自分の肌に合う成分・合わない成分」について観察、考察できたことが個人的には良かったです。
手作りコスメに興味はあるけど作るの難しいんじゃないの?手作りコスメのいいところって?逆に悪いところって?今日はそんな手作りコスメのメリットとデメリットについてまとめてみたいと思います。
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手作りコスメのメリット こんなところが素敵なんです
たくさんのスキンケア化粧品が売られている中で、わざわざ自分で化粧品を作ることのメリットは何でしょうか?かなり大雑把ですが、考えられる良い点を挙げてみると以下のとおりです。
- 材料費だけなので市販の化粧品よりも低コスト
- どんな成分が入っているのか明確に把握できる(ただしキャリーオーバー成分に注意)
- 自分の肌に合った自分だけの配合のカスタム化粧品ができる
- ほとんどが混ぜ合わせるだけで意外と簡単
- 自分で使うコスメを作ること自体が楽しい
手作りコスメはおうちで自分で意外と簡単に作れる上、配合されている成分をすべて自分で把握できるという点でとっても安心なスキンケア化粧品です。
今はちょっとマニアックな成分や材料もネット通販で手軽に手に入りますし、自分好みに成分も成分濃度もカスタマイズできるというのは市販のコスメでは味わえないことです。
以下、それぞれのメリットをちょっと詳しく見てみましょう。
1)材料費だけなので市販の化粧品よりも低コスト
市販の化粧品には、材料費はもちろんのこと、流通費、開発費、広告費などなど、さまざまなコストがかかっています。
その点、手作り化粧品の場合は材料費のみでOK。
初めて手作りコスメを作るときは、ついあれもこれも!と材料費もかさみがちですが、それでも市販の化粧品と比べるとずっと低コストで作ることができます。
ただし、○○産の朝摘みオーガニックローズウォーター、とかいう方向にこだわり始めるとそれなりに材料費も馬鹿にならなくなってきますのでご注意を。(伊藤羊子の痛い経験談…(´;ω;`))
2)どんな成分が入っているのか明確に把握できる(ただしキャリーオーバー成分に注意)
市販の化粧品の全成分表示を見て、すべてを正確に理解できる人はほとんどいないのではないでしょうか。
その点 自分で作る手作りコスメなら何を入れるのかを自分で選ぶことができる上に、何が入っているかを正確に把握することができます。
もちろん、防腐剤や合成着色料や合成香料などの気になる成分は一切無添加のナチュラルコスメを簡単に作ることができます。
ただし、材料のキャリーオーバー成分には要注意。
たとえば「○○植物エキス」と書かれたものであっても、その○○のエキスを抽出するのに使用した基材(溶剤)が何であるか、そのエキスを長期間保存できるようにするために合成保存料や合成防腐剤が使われていないかということにも注意が必要です。
よりシンプルで安全なスキンケアをするためにせっかく手づくりしていても、原料がすでに合成品でいっぱいの場合もあります。
材料を購入するときはきちんと何でできているか、どこ産の原料かなど確認するようにしましょう。
最近はそういったキャリーオーバー成分もきちんと表示してくれている原料屋さんが多くなっていますので、信頼できる手作りコスメ材料屋さんを見つけておくと安心です。
3)自分の肌に合った自分だけの配合ができる
自分だけのカスタマイズ化粧品を作ることができる。
これこそ手作りコスメの醍醐味ではないでしょうか。
欲しい成分を入れられる、欲しい成分の濃度を自分で決められる、逆に不必要な成分は排除できる。
これは市販の化粧品ではできないことです。
肌荒れしやすい、合わない成分がある人にとっては、市販のスキンケア化粧品に「何が入っているか分からない」ことが不安のタネになる場合があります。
でも自分で入れるものを選べる手作りコスメならその不安はありませんし、自分の肌に合ったものが自由自在に作れます。
敏感肌さんにとっても、うれしいポイントですね。
とはいえ、どんな良い成分や安全な成分であっても、人によって(または体調やホルモンバランスによって)合わないことはあるものです。
手作り化粧品であっても、パッチテストで肌に合うかどうかを確認することは大切ですし、場合によってはせっかく購入した材料が使えなくなってしまうこともあるかもしれません。
それでも、それらを自らカスタマイズできることはとても便利ですし、手作りコスメを通して自分の肌に合うものは何か、合わないものは何かなど「自分の肌をきちんと知る」きっかけになるのではないでしょうか。
ちなみに伊藤羊子はグリセリンというごくごく一般的かつアレルギーが出にくいと言われている保湿剤で、濃度によってはかゆみが出てしまうことを手作りコスメを通して知りました。
グリセリンは市販の化粧品にもよく使われていて、使用濃度は1%~10%と言われています。
私の場合、2~3%くらいまでなら大丈夫なのですが、それ以上の濃度になるとかゆみが出ます。似たような保湿成分でベタインというものがありますが、こちらは比較的高濃度でもかゆくなりません。
また、アルコールにも弱い体質なのでアルコールを基材にした成分を避けるなど、自分の肌に合わせたカスタマイズができるのは肌が敏感な時期にはとても助かりました。
これは自分であれこれ配合量を変えたり成分を変えてみたりする中で知ることができた「手作りコスメならでは」の発見でした。
この経験と発見は市販の化粧品を選ぶ上でも、とても役に立っています。 |
4)手作りは難しくない!ほとんどが混ぜ合わせるだけで意外と簡単
手作りコスメというと難しいんじゃないか、面倒くさいんじゃないか、というイメージを持つ人も多いようですが、決してそんなことはありません。
むしろ、「ただ混ぜるだけ」のものがほとんど。作ること自体はそれほど難しくはありません。
ネット上でたくさんの簡単手作りコスメレシピを見つけることができます。
たとえば、手作りコスメ入門編としていちばん簡単に作れるのは化粧水ではないでしょうか。
お好みのフローラルウォーターにグリセリンやベタイン、ヒアルロン酸などの保湿成分を加えてシェイクするだけでオリジナル化粧水の出来上がりです。
または手作りバームも簡単です。
シアバターなどの油脂にお好みの精油を垂らして混ぜ混ぜするだけでオリジナル手作りバームの完成。とっても簡単でしょ?
手作りキットを扱っている手作りコスメ専門店もありますので、そういうキットを使ってみると簡単に手作りコスメ体験をすることができます。
興味はあるけど二の足を踏んでいる・・・なんとなく敷居が高い・・・と感じている人はぜひ一度「体験キット」でおためしを♪
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5)手作りコスメを作ることそのものが楽しい♡
理科の実験が好きだった人、こまごましたものを作るのが好きな人、料理が好きな人。
手作りコスメにハマる可能性大です。
一度作り方を覚えてしまえばとても簡単ですし、次はあの成分を入れてみようかな・・・あっちの成分にしてみたらどうかな・・・といろいろ試すのが楽しくなってきます。
自分の肌に付けるものを自分で作ることの安心感と楽しみを両方味わえるのが手作りコスメのよいところです。
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などなど、手作りコスメの魅力は、自分で自分に必要な材料を選んで、自分の肌に合う、安心できる材料だけを選んで、作りたての新鮮なスキンケア化粧品を使えることです。
市販の化粧品に比べて自分で作る化粧品でのお手入れは格段にシンプルケアになるので、「与えすぎのスキンケア」でお肌が弱ってしまった状態から回復させるのにも一役買ってくれます。
手作りコスメのデメリット こんなところに要注意!
手作りコスメの良いところはたくさんありましたが、デメリットはなんでしょうか。
どんなものでも、良い面があれば悪い面もあるもの。ここでは、手作りコスメのデメリットについてまとめてみました。
- 保存の仕方や使用期限に注意
- こまめに作る手間が必要
- 器具や容器の殺菌・消毒など、衛生管理を念入りに
- 肌悩み対策にはどうしても大手メーカーの技術力・研究力に劣る
自分で簡単に作れる手作り化粧品は保存料や防腐剤無添加で安心なところが大きな魅力のひとつですが、その代わり雑菌が繁殖したり腐りやすかったりする面もあります。
手作り化粧品で肌荒れやかぶれが起きてしまったとしても、それは自己責任です。
以下、それぞれのデメリットをちょっと詳しく見てみましょう。
1)保存の仕方や使用期限に注意
手作り化粧品を作る場合、防腐効果のある精油やグレープフルーツ種子エキスなどを配合することはあっても、ほとんどの人は自ら合成保存料や合成防腐剤、酸化防止剤などを入れることはありません。
ということは逆にいえば、市販の化粧品に比べて保存性が悪い、腐りやすい、酸化しやすいということになってしまいます。
透明だった化粧水が目に見えて濁ってきたり、異臭がしてきたり、カビが生えたりなど、分かりやすく劣化してくれればまだ良いのですが、食中毒の菌と同じく、化粧品の雑菌の繁殖は目に見えません。
防腐剤等無添加であるということは、防腐剤による肌へのリスクを減らす一方で化粧品に雑菌が繁殖しやすくなる、腐りやすくなるというリスクが高まります。
気付かないうちに雑菌が繁殖した化粧品を顔に塗ることで、かぶれや肌荒れの原因になってしまうことも。
手作りコスメを愛用する場合は、必ず冷蔵庫に保管したり、数日以内(長くても1週間以内…配合内容や保管場所によって日持ちは変わってくるので一概には言えません)に使い切ったりするなど、保存管理の徹底が必要になります。
2)こまめに作る手間が必要
腐ったり雑菌が繁殖したりする前に使い切る必要があるということは、そのぶんこまめに作らなければいけません。
疲れて帰ってきて、あ、そういえば化粧水作らないとない・・・面倒くさい・・・という場面が出てくることも容易に想像できます。
(伊藤羊子は面倒くさがりな性分なので、手作りコスメをやめた原因のひとつはこれです。笑)
こまめに作ることが気にならない、むしろ好きな人にとっては良いのですが、面倒くさがり屋さんや忙しい人には手作りすることが喜びではなく負担になってしまうことも。
そういう場合は手作りコスメにこだわりすぎず、潔くあきらめて信頼できる市販の化粧品を使うのもひとつの道だと思います。
できる範囲で楽しく!が手作りコスメを長く愛用するコツでもあるかもしれません。
3)器具や容器の殺菌・消毒など、衛生管理を念入りに
手作りコスメにまつわるデメリットのほとんどは「腐りやすさ、雑菌の繁殖しやすさ」です。
手作りコスメ自体はほとんどのものが材料を混ぜるだけで簡単なものですが、保存ビンや混ぜ合わせる器具、計量容器などを殺菌・消毒したり、使い終わった器具を清潔に洗って保管する手間も付随してきます。
この大事な作業を怠ると腐りやすさや雑菌の繁殖しやすさにつながって、肌を健やかにしたいためにわざわざ手作りしているはずのスキンケア化粧品が逆に肌を荒れさせたりかぶれさせたりする原因となってしまいかねません。
器具や容器の殺菌・消毒には煮沸消毒、アルコール消毒などの方法があります。
いずれの方法で殺菌するにしても、これらを念入りにできることが手作りコスメを使う上での最低条件です。
4)肌悩み対策にはどうしても大手メーカーの技術力・研究力に劣る
手作り化粧品は、化学物質や合成保存料、人工香料などを使わず、自分に必要な成分だけを使ってシンプルなスキンケアをする上でとても優れています。
敏感肌で何を使っても合わない人でも、自分だけの配合で自分に合う手作りコスメを作ることが可能です。
が、アンチエイジングやシミ対策など深刻なお悩みケアには大手メーカーの技術には敵いません。
化粧品メーカーは皮膚のことを研究し、成分の配合を吟味し、試作を繰り返し、大手メーカーでは独自の成分を開発し、美しい肌へ導くための化粧品を開発しています。
手作りコスメの成分でもお悩みケアが不可能なわけではありません。
こんな成分まで個人で手に入るんだ!?とびっくりするくらい、今はいろいろな手作り用材料が販売されています。
でもやはりどちらかというと手作りコスメは自らの自然治癒力に頼りがちです。
悩みが深刻であればあるほど、手作り化粧品では物足りないと感じてしまう場合があります。
メリットとデメリットを踏まえた上で手作りコスメを楽しもう!
こうしてみてみると、化粧品を手作りすることのメリットとデメリットは表裏一体のように思いませんか?
何が入っているか明確かつ不要な成分は排除できる一方で、市販の化粧品に比べて腐りやすく衛生管理が必要になってきます。
自分で自分だけの化粧品を作る喜びがある一方で、容器や器具を消毒する手間やこまめに作らなければならない手間があります。
シンプルケアで肌本来の力を取り戻す助けができる一方で、深いお悩みケアには力不足だったりします。
手作りコスメはとても素敵なものですし、手作りすることで自分の肌を見つめなおすきっかけになってくれます。
が、手作りにこだわりすぎるあまりスキンケアが面倒くさくなったり、悩み対策ができなかったりするのも本末転倒のように思います。
手作りコスメに挑戦するきっかけは人それぞれかもしれません。
軽い気持ちで作ってみようかな…と思った人、市販の化粧品の成分が気になって手作りしたくなった人、何を使っても合わなくて手作りせざるを得なくなった人、いずれの場合も手作りコスメのメリットとデメリット両方を踏まえた上で、無理なく暮らしの中に取り入れて楽しんでみましょう!
「スキンケアを楽しむ」こと自体もお肌にとっては大切な栄養になるはずです。
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