こんにちは、コスメコンシェルジュの伊藤羊子です。
敏感肌さんにとって、季節の変わり目はいちばんお肌が不安定になりがちな季節です。
この間までなんでもなかったのに、急にカサカサしやすくなった、かゆみや赤みが出るようになった、いつものスキンケア化粧品がしみるようになった、などなど、困っていませんか?
朝晩の気温差や日によって暑かったり急に冷え込んだりする季節の変わり目は、自律神経のバランスが乱れやすいので体調を崩しやすいだけでなく、お肌も皮脂を出すべきなのかそれほどいらないのか戸惑っている時期です。
その不安定さが肌トラブルの元になっているのですが、お肌のトラブルのすべての元凶は乾燥!まずは保湿ケアをしっかりすることが大切です。
季節の変わり目以外でも、とにかく何をしても乾燥がおさまらない、どうしても肌トラブルがおきる、さらに乾燥が進んで困っている、敏感肌さんの中には年中そんな悩みに振り回されている人が多いのではないでしょうか。
そもそも、なぜお肌が乾燥するのか?お肌が乾燥するとどうして肌トラブルが起きるのか?肌トラブルが起きるとなぜさらに乾燥を引き起こすのか?
それらをきちんと理解することは、脱敏感肌・乾燥肌の大切なカギを握っています。
そこで、今日はお肌のうるおいはどこからくるのか、炎症が起きるとどんなことが起こるのかを中心に、今すぐできる乾燥対策をお伝えします!
もくじ
そもそもお肌のうるおいはどこからくるのか?
誰もがあこがれる、赤ちゃんのようなモチモチぷりぷり肌。あんなやわらかくて弾力のあるお肌になれたら言うことなしですよね!
それにはやっぱり「保湿」が大切なわけですが、赤ちゃんのお肌は「皮脂量」でいうと大人の約3分の1程度と言われています。
それでは、なぜあんなにみずみずしくてぷにぷにしたお肌の状態を保てているのでしょうか?
それは、赤ちゃんのお肌は表面の皮脂によって水分を保っているのではなく、内側からのうるおい力がすごいからなんです。
お肌のうるおいは、セラミドなどの細胞間脂質、NMF(ナチュラルモイスチャーファクター)と呼ばれる天然保湿因子が表皮の水分を保っていることが最近ではよく取り上げられています。
表皮細胞自体はいわゆる「核のない」死んだ細胞ですが、その周りをセラミドやNMFが水分をギュッと保持していることでうるおいが保たれているというわけです。
NMFはアミノ酸類、ミネラル、ピロリドン酸、乳酸、尿素、クエン酸塩などによって構成されており、どれもお肌のうるおいを保つ「保水」に欠かせない成分です。
それらの細胞間脂質やNMFはどこから生まれるのかというと、表皮(角質層)の下の真皮の「顆粒層」という部分で細胞がセラミドの素(セラミド前駆物質)やNMFの素になるフィラグリン(フィラグリン前駆物質)というタンパク質が作られ、その細胞が死んで角質層のレンガのひとつとなるときにそれらの保湿物質が放出されて角質層のうるおいへと変わるわけです。
つまり、お肌をきちんと潤わせるには、細胞が角質層の下の顆粒層の部分でしっかりうるおい成分の素を作る活動をしてくれることが大切なんです。
ですが、敏感肌やアトピー、乾燥肌の場合はこの「顆粒層でセラミドの素やNMFの素を作る力が弱っている」ことが「保湿・保水できない原因」「乾燥の原因」になっていることが最近の研究で分かってきました。
なぜ、敏感肌や乾燥肌だとそれらのうるおい成分が少なくなってしまうのか。
また、それを補うにはどうしたらいいのか。
それを知ることができれば、お肌の状態をかなりよくすることができるだけでなく、トラブル肌からの脱却も夢ではありません。
肌細胞がうるおい成分をきちんと作り出せない理由
肌細胞が生まれてから表皮に達するまでの間に、細胞の中にしっかりうるおい物質の素を作り出すことができれば、角質層は保湿成分で満たされてうるおい肌になることができます。
これを邪魔しているのはなんでしょうか?
アトピー体質の場合、先天的にこれらを作り出す酵素が健康なお肌に比べて少ないといわれています。それ以外にも、うるおい物質を作り出すのを阻害してしまう大きな原因があります。
それが炎症です。
炎症というと、皮膚表面に現れている赤みやかゆみ、かさかさジュクジュクなどだけに注目が集まりがちですが、目に見えない肌の奥で起こっている炎症や、一見治ったかのように見える炎症が小さく残っている炎症が肌内部でくすぶっていることが大きな原因になっています。
最近ではそのような表に表れない「微弱炎症」に注目したスキンケア化粧品も増えているので、そういった「目に見えない炎症」を意識する人も増えてきているのではないでしょうか。
肌内部で炎症が起こると、セラミドやNMFを作り出す材料が足りなくなったり、それらを作り出す酵素の働きが弱まったりしてしまいます。
また、炎症が長く続くことによって、皮膚細胞が成熟する前に排出されてしまうパターンも。
どういうことかというと、ターンオーバーが早すぎて、細胞がうるおいの素をきちんと蓄える前に押し上げられて角質になってしまうわけです。
そうなると、角質層でうるおいを保つはずのセラミドやNMFが足りなくてバリア機能がスカスカ状態に・・・。
「お肌が乾燥するから肌トラブルが起こる」ということはよく知られていますが、同時にその逆も起こっているのです。
つまり、肌の乾燥によって炎症が引き起こされるだけでなく、肌トラブル(炎症)によって肌のうるおいを保てない状態になっている=乾燥を招いているという悪循環が起こっています。
せっせと保湿をしているつもりなのに、お肌が乾燥する・・・という人は肌内部の目に見えない炎症を疑ってください。
微弱炎症を引き起こす3大原因は紫外線や花粉・化学物質などの外部刺激、皮膚常在菌の悪玉菌の増加、自律神経バランスの乱れです。
基本的な保湿ケアとUVケア、きちんと睡眠をとったり適度に運動したりして自律神経のバランスを整えることなどによってお肌を健康な状態に保つことが何よりも大切なポイントです。
また、保湿ケア+炎症対策ができるスキンケアアイテムを選ぶのもひとつの手かもしれません。
抗炎症作用のある主な成分は、グリチルリチン酸2K(甘草エキス)、アラントイン、ローズエキス、ラベンダーエキス、ソウハクヒエキス、紫根エキスなどです。
まず今のトラブルを改善することももちろん重要なことですが、長期的な視点で「自分本来の肌力をアップするためのスキンケア」を続けていくことも大切です。
当面の問題が解決したら、次は長期的な肌ケア対策を考えてみてくださいね。
敏感肌さんに本当におすすめしたい化粧品@敏感肌のスキンケア研究所
今すぐできる!急な乾燥対策のためのスペシャルケア
急にお肌がガサガサしてきちゃってどうしよう・・・明後日のデートまでにお肌の状態よくしておきたいのに~!そんなときのために、今すぐできる緊急対策スペシャルケアを知っておくと慌てないですみます。
あくまでも大切なのは普段のケアですが、お肌がピンチ!というときには試してみる価値アリですよ(๑•̀ㅂ•́)و✧
1)ミルフィーユ付けでたっぷり保湿
ふだん使っているスキンケア化粧品を、丁寧になじませます。
そのあと、同じ工程をもう1度重ねてみましょう。
つまり、普段のお手入れが「化粧水→乳液」だとしたら、それをきちんとなじませたあともう一度「化粧水→乳液」を重ね付けします。
まだもの足りなさを感じる場合はもう一度。ポイントは1回ずつしっかり肌になじませてから重ねることです。
ただし、これはあくまでも緊急スペシャルケアとしての保湿方法です。
毎日これをしてしまうと「過剰なケア」になってしまいますので、本当に乾燥が激しいときに1~2日だけ使うレスキューケアと考えてくださいね。
2)肌常在菌のバランスを整える集中パック
フェイスシートにたっぷり美容液が含まれたシートパックは手軽にできて、しかも乾燥対策としては最強の効果を発揮してくれるアイテムのひとつです。お手入れに上手にプラスすることでかなりお肌のうるおいを取り戻すことができるのではないでしょうか。
昨年はじめて登場したHANAオーガニックの「ピュアリムーンマスク」が今年も数量限定で発売されました!
(※ 現在は販売していないようです!定番化してほしい……!!)
こちらは1回使うだけでもかなりお肌の調子が整うのですが、乾燥対策の集中ケアには5日間連続で使ってみることをおすすめします。
HANAオーガニックのピュアリムーンマスクには抗炎症作用もある濃厚なローズウォーターをはじめ、肌常在菌のバランスを整えるバイオエコリアが配合されています。外からしっかり保湿しながら、お肌のバリア機能のいちばん外でがんばってくれている常在菌を応援することが、緊急乾燥対策としては大切なポイント。
パッケージが変更になりましたが、中身の濃厚さは昨年の新発売時と変わらずそのままです。
乾燥ケア+炎症ケア+常在菌バランスケアと、この時期の敏感肌のゆらぎ対策をひとつですべて対策できてしまうので、ちょっとお肌の状態がマズいぞ・・・というときの緊急ケアに、今のところそこまで悪い状態じゃないけど絶対冬までにお肌の状態を崩れさせないための予防ケアにも最適です。
乾燥や炎症を予防すること、乾燥や炎症に気付いたらすぐに対処すること。
この2点は肌トラブルの悪循環に陥らないために最も大切なことです。
常日頃から自分のお肌をよく観察して、お肌の小さなSOSを見逃さないようにしてくださいね!
【あわせて読みたい関連記事】
皮脂の量と質が美肌のカギに!皮膚バリア機能にとって大切な皮脂の役割をおさらいします
HANAオーガニック愛用歴5年のコスメコンシェルジュがHANAオーガニックの好きなところを本音で書きます
顔の乾燥からくるかゆみをなるべく早く落ち着かせるために知っておきたい原因と対策