肌断食ってどう?肌断食に失敗した敏感肌の私が肌断食について思うこと

こんにちは、コスメコンシェルジュの伊藤羊子です。

最近、知り合いから「肌断食ってした方がいいの?」「肌断食ってどう思う?」と聞かれることが立て続けにありました。

結論から言えば、伊藤羊子は「肌断食ができる人はした方がいい」と思っています。

なぜなら、人には本来自らの肌をうるおいで満たし、健康に保つ働きが備わっているからです。

でも、私自身はすべてのスキンケアを止めたわけではありません。
というよりも、肌断食しようと思ってがんばったけどあきらめた・挫折したクチです。笑

今現在は「洗いすぎない・塗りすぎないスキンケア」に落ち着き、少なくとも肌荒れすることは昔に比べて格段に少なくなりました。

肌については(残念ながら年齢なりの悩みもありますが)ほめてもらえることが多いのは、かつて重度のアトピーかつ乾燥肌で常に人目が気になっていたことを考えるとかなりの進化ではないでしょうか。
肌断食に失敗した当時よりは肌が安定しているので今ならむしろ肌断食に取り組みやすいかもしれないし、でもまだまだ焦らずに細かく段階を踏んでもいいのかなという気もしています。

肌断食は理論的に正しいと考える一方で、

  • ライフスタイルや本来の肌質、目指す美しさによっては肌断食が向いていない人、向いていないタイミングというのもあるのではないか
  • 肌断食をすることで生活の質が下がるのであれば、もっと先に見直すべきところがあるのではないか

というのが私の考えです。

肌断食についての意見を聞かれたのが、ちょうど自分自身も「最近ちょっと塗りすぎかも・・・」と思っていた時期だったこともあり、自分のスキンケアを振り返る意味でも、肌断食について思うことをまとめてみました。

この記事で書いてある内容は、個人的な体験に基づいた部分が多いので、あくまでも一意見としてとらえていただければ幸いです。

 

肌断食をした方がいいと思うのは「それが本来あるべき肌」だから

肌断食と一言でいっても、すべてのスキンケアを止めることを指すこともあれば、週末のみ、夜のみスキンケアをしないことを指す場合もあります。

肌断食中のワセリン

この記事でいう「肌断食」は、

  • 基本的には何も塗らない(乾燥時や乾燥部分に少量のワセリンのみ)
  • 水洗顔(ぬるま湯洗顔)を基本とし、場合によっては石けん洗顔

という内容を大まかに指しています。

肌断食の正しいやり方は、それぞれ本などでていねいに解説されているので、興味のある人はぜひ一度読んでみてください。
言い回しの違いや簡略化による誤解を避けるため、やり方についての詳しい説明はここでは省きます。

もっとも有名な宇津木式の本はこちら

「肌断食ができるのであればしたほうがいい」と私が考えるのは、何もしなくても人の肌は本来みずからうるおいを保とうとする力を持っているからです。
その力で美しい肌が保てることが本来あるべき姿だと思いますし、生き物としては正しいのではないかと思います。

スキンケアで外から常にうるおいを与え続けなければいけないというのは、ある意味では「不自然」な状況とも言えます。

「健康な肌=自分で潤いを保てる肌=スキンケアが必要ない肌」だとすれば、そこを目指すことは大切なことなのではないでしょうか。

 

そうはいっても肌断食かなり大変・・・伊藤羊子が挫折した理由

本来であればスキンケアをしなくてもきちんと自分の力で潤うべき・・・そう思いながらも、今でもスキンケアをしているというのは矛盾がありますよね。

それは自分でもよく分かっているのですが、肌断食を始めてからの皮膚の乾燥は、普通に働きながらではとても耐えられるものではありませんでした。

肌断食をすることで皮膚が本来あるべき姿になることが本当だとして、そこに至るまでにかかる時間は本来の肌質やそれまでのお手入れ状態によって個人差があります。

数週間~3か月ほどで多くの人はある程度の改善を実感できるそうですが、私の場合は3か月では全く回復の兆しが見られませんでした。

乾燥によるピリピリ感や粉吹きが激しく、少量のワセリンではカバーしきれないほど。
ファンデーションで隠そうにも、メイクをすると余計に肌が汚く見えてしまうくらいだったので、マスクをして過ごす以外ありませんでした。

そうなると、仕事や外出にも支障が出てしまいますし、気持ちはどんよりと暗い日が続きます。
この期間を乗り越えてこそスキンケア要らずの肌になれるのかもしれませんが、「当面の辛抱」という言葉で納めるにはあまりにも辛すぎました。

これ以上続けるのは、自分の生活の質が担保できない!と思い、肌断食をあきらめました。
スキンケアを止めて本来あるべき姿を手に入れることよりも、日常生活を気分よく送ることのほうが大切だと考えたのです。

肌断食はシンプルなようでいて、実際にきちんと実行しようとすると、実はとても難しいと思います。

単に「何も塗らない、水で洗うだけ」では留まらず、回復するまでの時期を乗り越えられる環境があるかどうか、日焼け止めはどうしたらいいか、顔を水で(必要であれば石けんで)しか洗わないのにシャンプーはいいのか、洗顔の温度に気を付けるのはもちろんのことお風呂の温度や髪を洗う温度もこれまでどおりでは乾燥が進むのではないか、そもそも食生活や生活全体も見直さなくては・・・などなど、色々なことと向き合わなくてはならなくなってきます。

これは私が以前、オーガニック食品や添加物不使用食品の世界に足を突っ込んだときと同じで、「そこを目指すのは体にいいけれども、日常生活や人間関係に不自由・支障が生まれてしまう」という状況でした。

突き詰めることができればベストだけれど、それでさまざまな支障や負担が大きくなってしまうのであれば、おおまかな方向性はそちらを目指しつつも、ストイックになりすぎず「ほどほど」であること、ちょうどよい落としどころを見つけることが自分にとっては大切だと考えています。

 

完璧な肌断食をしなくても劇的に肌が変わったスキンケア方法

そもそも思い返してみれば、私は中学生のころからあぶら取り紙にまったく皮脂が付かないくらいの乾燥肌でした。
中学生といえば、周りは皮脂の分泌が激しくニキビに悩む子が多い時期なのにも関わらずです。

アトピー体質の人の中にはセラミドやNMF(天然保湿因子)を作り出す機能がもともと低い人がいるという研究結果がありますが、残念ながら私もそうではないかと思います。

元の肌質がそうだとしたら、スキンケアを止めたあとの経過が順調ではないこと、肌断食後の肌にうるおいが足らないことも想定内ですし、いずれにしても一定以上の健康な肌質の人と同じようにはいかないことはある意味当然と言えるかもしれません。

完璧な肌断食をやり遂げることはできませんでしたが、できるだけスキンケアやメイクをシンプルにして約5年ほど経った今、最近ではなんと自分の皮脂が少しは出るようになってきましたし、肌荒れすることも劇的に減っています。

今のスタイルに定着するまでに、極端なシンプルケアに走ったり、最新のコスメに手を出したり、手作り化粧品にハマったりとさんざん回り道をしましたが、自分にしっくりくる落としどころを見つけることができてからは気持ちもお手入れも本当に楽になりました。

肌が不健康な状況を作っている原因について、宇津木式の本では

  • 洗いすぎ
  • こすりすぎ
  • 化粧品に含まれる界面活性剤による表皮の破壊
  • 化粧品に含まれる防腐剤による皮膚常在菌バランスの破壊

などが挙げられています。

化粧品の界面活性剤や防腐剤がどのくらい皮膚に影響を与えるのか、私は化学者ではないので実際のところは分かりませんが、その可能性は完全には否定できないな、と思います。

そこで、以下のことに気を付けました。

  • 夜は肌の排泄・再生を妨げないよう最低限のケアにする
  • なるべくシンプルなケアができるスキンケア化粧品を選ぶ
  • メイクは軽めかつ石けんで落とせるものにする
  • 皮膚常在菌のバランスを大切にする

この4つについて、もう少し詳しく説明してみます。

 

夜は肌の排泄・再生を妨げないよう最低限のケアにする

肌は夜寝ている間に生まれ変わるとか、22時から深夜2時がそのためのゴールデンタイムである(最近は時間に関係なく眠り始めの3時間がゴールデンタイムとも言われています)とかいう話は誰でも聞いたことがあるのではないでしょうか。

だからこそ必要な栄養をたっぷり与えてあげることが良いと思って、かつては夜のお手入れは特に念入りにしていたのですが、これはどうやら逆効果になってしまうようです。

皮膚は人体を覆っている皮であるのと同時に、大きな排泄器官でもあります。
夜は皮膚が老廃物を排出したり細胞の再生・修復をしたりする大切な時間なので、化粧品の油でしっかり覆ってしまうと本来の排出力を妨げてしまうとのこと。

とは言っても、長年しっかりスキンケアをして眠る習慣があると、夜なにも塗らないことに慣れるまでは肌のつっぱり感や乾燥が気になります。
何も塗らないのがベストなのを念頭に置いて、季節や肌の状態に合わせて1アイテムのみを控えめに付けることまではOKとしています。(最近では夜まったく何も塗らない日も多くなりました!)

 

なるべくシンプルなケアができるスキンケア化粧品を選ぶ

肌をできるだけこすらないことが大切、というのは、一般的な美容メソッドでも肌断食でも共通の考え方です。

スキンケアでたくさんのアイテムを重ねることは、そのぶん肌をこする回数が増えますし、美容成分だけでなく界面活性剤や防腐剤も重ねることになるので、スキンケアを止めないにしても、あまりあれもこれも使いすぎないようにしました。

ピーリングや角質パックなどのスペシャルケアも(もともと頻度は少なかったですが)やめました。

また、アイテム数を減らすことだけでなく、成分のシンプルさも大切ではないかと思います。
最新の美容成分に惹かれることもありますが、普段使いのものは基本的になるべくシンプルなものを選ぶようになりました。

 

メイクは軽めかつ石けんで落とせるものにする

落ちにくい、崩れにくい化粧品は肌をきれいに見せてくれますし、使い勝手もいいものです。
でも、汗や皮脂で簡単に落ちないように作ってあるぶん、どうしても洗浄力の優しい洗顔では落とせず強いクレンジング剤を使わないと落ちにくいのがネックです。

強いクレンジング剤は化粧汚れを落とすのと同時に、大切な皮脂や皮膚常在菌も一緒に洗い流してしまいます。
クレンジングは肌断食の中でも、いちばん最初にやめるべきものだと思います。

すべてのメイクを止めてしまうことができればベストなのかもしれませんが、なかなかそういうわけにもいきませんし、メイクの楽しみだってあります。

石けんで落とせるメイク

メイクの必要性とクレンジングを避けたいという気持ちを両立させるために、ファンデーションもポイントメイクも、石けんで落とせるものに切り替えました。

今は改まった席に出るとき以外はほとんどファンデーションを塗らず、ポイントメイクだけにすることが多いです。
(ニキビや炎症の跡が気になるときは、その部分だけ石けんで落とせるコンシーラーで隠すこともあります)

石けんで落とせる!お肌に優しいミネラルカラーコスメの記事を見る

 

皮膚常在菌のバランスを大切にする

皮膚常在菌は目に見えないものなので、つい存在を忘れてしまいがちなのですが、皮膚には約1兆個もの常在菌が存在していて、皮脂や汗を食べて保湿成分を作ったり弱酸性のバランスを保ったりという皮膚を健康な状態に保つ働きをしています。

強い洗浄剤で顔を洗うことは、汚れを落とすだけでなく皮膚常在菌もいっしょに落としてしまいます。
過剰なケアで油分を与えすぎることも、皮膚常在菌のバランスを崩す原因になります。

化粧品に含まれる防腐剤が化粧品の雑菌繁殖を防ぐだけでなく、皮膚常在菌も殺してしまうという説もあります。(宇津木式でも防腐剤の影響と思われる皮膚常在菌の数の少なさに触れられています)

皮膚常在菌についてはこちらのページにもう少し詳しくまとめています。

洗いすぎること、化粧品を付けることは本来の常在菌バランスに影響を与えるのであれば、肌断食をすることは常在菌を大切にすることでもあると言えます。

スキンケアをするにしても、皮膚の上には常在菌がいることをちょっと心に留めておくことで、洗いすぎに気付くようになりましたし、スキンケアアイテムを選ぶ基準が変わってきました。

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洗いすぎ、塗りすぎ、こすりすぎが肌に良くない影響を与えているということは、よく言われていることです。
スキンケアをスパッと止めることができればよいのかもしれませんが、肌断食ほど突き詰めないまでも、これらを意識してスキンケアを見直すことで肌の状態がグンと変わる人は少なくないはず。

ひとつ踏み出してみれば、ほかのこともどんどん変えたくなってくるのではないでしょうか。
ファンデを買い替えるとき石けんで落とせるものにする、日焼け止めをクレンジング不要のものにしてみるといったところから始めてみる価値はあると思います!

 

スキンケアをシンプルにしたい人のためのオススメ化粧品

スキンケアの中で肌にいちばん負担がかかるのはクレンジングです。
強い洗浄料を使わなくてもいいメイクにできればいいし、可能であればノーファンデでポイントメイクのみだとさらに肌への負担は少なくなります。

肌断食したいけどいきなりすべて止められない、どこからしたらいいか分からない、という場合、まずクレンジングを見直す、できればクレンジングをなくすことが一番です。

さらに、徐々にスキンケアをシンプルにしていくこと。
シンプルケア=アイテム数を少なく、というだけではなく、成分内容もできるだけ肌に負担がかからないシンプルなものを選べるといいですね。

となると、どれがいいの?と聞かれることが多いのですが、肌質や目指すところによってよい化粧品は違ってくるので、なかなかこれ!とは言い難いのが正直なところです。

個人的にスキンケアを減らしていく中でいいな、と思ったものを3つ挙げておきますので、良さそうだと思えるものがあれば手に取ってみてください。

 

常在菌をケアする国産オーガニックコスメ「HANAオーガニック」

伊藤羊子が今メインで使っているのが、HANAオーガニックです。
ときどき他のコスメに浮気をしても必ずこれに戻ってきます。

HANAオーガニック

肌の再生力を引き出すことを大切にしているブランドであるところ、常在菌(善玉菌)が喜ぶ成分「バイオエコリア」を配合しているところがシンプルケアを目指す人にもピッタリです。

ラインナップには美容液やオイルなどもありますが、基本のお手入れとしては化粧水と乳液のみで充分です。
マイナスのお手入れに慣れてきたら、乳液だけにしてもOK。

といいつつ、抗炎症作用や保湿作用のある和漢植物が配合されている美容液がけっこう気に入っていたりします。笑
油分が使われていないので、夜はこの美容液だけで済ませることもありますよ。

トライアルセットにはティントUV乳液も入っています。
これがまたなかなかの優れもので、UVケアしつつちょっと色づいて肌をきれいに見せてくれるので、ファンデを使うほどではないけどちょっとお化粧してる感が欲しいときに重宝しています。

HANAオーガニックの公式サイトを見る
伊藤羊子が使ってみたレビューを見る

 

社員さんは全員すっぴんの「あきゅらいず」

あきゅらいずは、洗いすぎ、塗りすぎ、こすりすぎの「3スギ」が肌力を弱めているのではないかということに着目して作られているスキンケア化粧品です。
まさにシンプルケアで健康な肌にしたい!という人のために作られていると言っても過言ではありません。

あきゅらいずで働く社員さんは全員すっぴん美肌、ということにも、その姿勢が表れています。

洗顔石けん、洗い流すパック、保湿クリームの3アイテムがありますが、シンプルケアに慣れてきたらパックなしでもいいかもしれません。

あきゅらいずはかなりナチュラル寄りの化粧品ですが、使用感の良さにもこだわって作られているので、これまでケミカルコスメを使っていた人でも伸ばしにくさや使い勝手の悪さを感じにくいところが良いと思います。

あきゅらいずの公式サイトを見る
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2層式のオイル美容液がちょっと珍しい「coyori」

今ちょうど試しているcoyoriが意外とイイので、おすすめに入れておきたいと思います。

coyori

coyoriの特徴はなんといっても植物成分にこだわった2層式の美容オイル。
これひとつで美容液、乳液、クリームの役割を果たしてくれるので、スキンケアの軽量化にはもってこいです。

また、2層式になっていて使用前に油分と水分をドレッシングのように混ぜ合わせるということは、つまり乳化するために界面活性剤を使っていないということです。

これは界面活性剤の皮膚への影響を気にする場合、かなり嬉しいことではないでしょうか。

ラインナップとしては化粧水やクリームなども用意されていますが、この2層式美容オイルだけでスキンケア完了できれば理想的です。

coyoriの公式サイトを見る
伊藤羊子が使ってみたレビューを見る

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スキンケアを軽くするためのおすすめ化粧品を教えて!と聞かれた場合に答えるであろう3つのブランドをご紹介しました。
この3つに限らず、ワセリンやオイル類(スクワラン、ホホバオイル、オリーブオイルなど)だけで済むのであればそれでいいと思います。

なるべく洗わなくて済むこと、なるべくこすらなくて済むこと、なるべくシンプルな成分であることを目安に、それぞれの肌とライフスタイルに合う着地点を探していくのがベストです。

何も塗らなくてもきっちり潤う健康な肌に近付いていけたら最高ですね!
ストイックになりすぎず、ちょうどいいところをぜひ探してみてください。

あなたと、あなたのお肌のために。

 

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